沖縄の軍用地収入とは?借地料の仕組みと相続時に確認したいポイント

沖縄で相続の話をしていると、「親が軍用地を持っているらしい」「毎年、借地料のようなお金が入っている」「でも詳しいことは家族の誰もよくわかっていない」という声を聞くことがあります。

軍用地収入は、沖縄では比較的身近な不動産収入のひとつです。親や祖父母の代から受け継がれてきた土地が、米軍施設や自衛隊施設などの用地として使われ、その対価として借地料が支払われているケースがあります。

毎年決まった時期に収入が入るため、「安定した財産」と感じる方も多いでしょう。実際に、軍用地は沖縄の不動産の中でも特別な資産として見られることがあります。

ただし、相続の場面では少し注意が必要です。

軍用地収入があるからといって、相続が簡単に進むとは限りません。土地の名義が亡くなった親のままになっていたり、祖父母名義のまま長年放置されていたり、兄弟姉妹で共有になっていたりすることもあります。また、借地料を誰が受け取るのか、固定資産税は誰が払うのか、将来売却するのか残すのかなど、家族で話し合うべきことも出てきます。

特に50代の方は、親の相続や実家の整理を現実的に考え始める時期です。これまで親が管理していた軍用地について、突然「これからはあなたが確認して」と言われることもあるかもしれません。

けれど、最初からすべてを完璧に理解する必要はありません。まずは、軍用地収入の基本的な仕組みを知り、どの書類を確認すればよいのか、相続時にどのような点で揉めやすいのかを整理することが大切です。

この記事では、沖縄の軍用地収入について、借地料の仕組み、相続時に確認したい名義や振込先、相続登記、税金、家族での分け方まで、できるだけわかりやすく解説します。

目次

軍用地収入とは何か

軍用地収入とは、土地が防衛施設用地などとして使用され、その対価として土地所有者に支払われる借地料のことです。

沖縄では「軍用地料」「借地料」「賃貸借料」と呼ばれることもあります。言い方は場面によって少し違いますが、この記事では読者にわかりやすいように「軍用地収入」または「借地料」と表現します。

沖縄防衛局では、駐留軍施設や自衛隊施設用地に関する土地所有者向けの各種手続きを案内しており、相続や所有者変更に関する手続きも案内されています。

軍用地収入は、土地を売って得るお金ではなく、土地を使用してもらう対価として受け取る借地料です。

軍用地収入は土地を貸して得る収入

軍用地収入を簡単にいうと、「土地を貸して得る収入」です。

アパートや貸家の家賃収入と似ている部分もありますが、一般的な賃貸物件とは違い、貸している対象は建物ではなく土地です。また、借り手は個人の入居者ではなく、国などを通じた防衛施設用地としての使用になります。

そのため、土地所有者が自分で入居者を探したり、建物の修繕をしたりするような管理とは性質が異なります。

一方で、所有者から見ると、毎年収入が発生する不動産であることに変わりはありません。相続の場面では、その土地そのものの価値だけでなく、今後の借地料を誰が受け取るのかという点も重要になります。

一般的な家賃収入との違い

軍用地収入は、一般的な賃貸住宅の家賃収入と混同されることがあります。しかし、実際には確認すべきポイントが少し違います。

比較項目軍用地収入一般的な家賃収入
貸しているもの土地建物・部屋・店舗など
主な収入借地料家賃
借り手国など個人・法人
管理の手間建物管理は基本的に少ない修繕・空室対策・入居者対応が必要
相続時の注意点名義・契約・借地料の承継確認建物管理や入居者対応も必要

軍用地は、建物の老朽化や空室リスクとは違う性質を持っています。そのため、「管理しやすい資産」と感じる方もいます。

ただし、相続時には土地の名義や権利関係が問題になります。借地料が入っているからといって、相続手続きが済んでいるとは限りません。

収入だけでなく土地の権利を確認する

軍用地収入で大切なのは、「年間いくら入るか」だけではありません。

その収入のもとになっている土地が、誰の名義になっているのか。共有者はいるのか。亡くなった方の名義のままではないか。借地料の振込先は誰の口座なのか。

こうした情報を確認しないまま収入だけを見ていると、相続のときに話が止まってしまうことがあります。

たとえば、父が借地料を受け取っていたとしても、登記簿を確認すると祖父名義のままだったということもあり得ます。その場合、父の相続だけでなく、祖父の相続関係までさかのぼって確認が必要になることがあります。

軍用地収入は、通帳に入金があるためわかりやすい反面、土地の権利関係が見えにくいことがあります。まずは「収入」と「土地の名義」を分けて確認することが大切です。

沖縄で軍用地収入が身近な相続財産になりやすい理由

沖縄では、軍用地が一部の人だけの特別な財産とは限りません。親や祖父母の代から土地を所有していて、相続をきっかけに初めて軍用地の存在を知る方もいます。

沖縄防衛局によると、沖縄県では米軍専用施設用地や自衛隊施設用地のうち、民公有地が大きな割合を占め、土地所有者はおよそ61,000人とされています。

つまり、沖縄では軍用地が地域の土地利用や相続と深く関係しているのです。

沖縄の軍用地は、地域の歴史や土地利用と関わりが深いため、相続で引き継ぐ財産として身近な存在になりやすいのです。

親世代は知っていても子世代は詳しく知らないことがある

軍用地は、親世代にとっては当たり前の財産でも、子ども世代にとっては内容がよくわからないことがあります。

「毎年、通帳に入金があるのは知っている」
「でも、どこの土地なのかはわからない」
「書類がどこにあるか知らない」
「兄弟の中で誰が管理しているのか曖昧」

このような状態のまま相続が発生すると、確認作業に時間がかかります。

特に50代になると、親が高齢になり、財産管理や相続について話し合う機会が増えてきます。親が元気なうちに、軍用地に関する書類や入金状況を確認しておくことは、将来の負担を減らすうえでとても大切です。

軍用地は「残したい人」と「売りたい人」で意見が分かれやすい

軍用地は、毎年借地料が入る可能性があるため、相続人の中で「残したい」と考える人が出やすい財産です。

一方で、相続人が複数いる場合は「売却して現金で分けたほうが公平ではないか」と考える人もいます。

たとえば、沖縄に住んでいる長男は「先祖からの土地だから残したい」と考えるかもしれません。県外に住んでいる次女は「自分は管理に関われないので、売却して分けたい」と思うかもしれません。

どちらが正しい、間違っているという話ではありません。立場が違えば、感じ方も違います。

だからこそ、軍用地の相続では、感情だけでなく、収入額、名義、税金、将来の管理、家族の生活状況を整理したうえで話し合うことが大切です。

地域や施設によって事情は異なる

軍用地といっても、すべて同じ条件ではありません。

場所、面積、施設の種類、契約内容、返還予定の有無、周辺地域の状況などによって、将来の考え方は変わります。

「軍用地だから必ず安心」
「軍用地だから必ず高く売れる」
「借地料があるから何もしなくてよい」

このように一律に考えるのは避けたほうがよいでしょう。

特に相続では、他の家庭の話をそのまま自分の家に当てはめると、判断を誤ることがあります。自分の家の土地がどこにあり、誰の名義で、どのような借地料が入っているのかを確認することが第一歩です。

軍用地の借地料はどのように決まるのか

軍用地の借地料は、土地の場所や面積、利用状況、契約内容などによって異なります。

そのため、「軍用地を持っている」と聞いただけでは、どれくらいの収入があるのかは判断できません。実際の金額を知るには、借地料に関する通知や明細、通帳の入金履歴などを確認する必要があります。

借地料を見るときは、年間収入だけでなく、土地の所在地・面積・名義・振込先までセットで確認することが大切です。

年間収入だけで判断しない

軍用地収入というと、まず気になるのは「年間いくら入るのか」だと思います。

もちろん、収入額は大切です。相続財産として考えるうえでも、家族で分け方を話し合ううえでも、具体的な金額は必要になります。

ただし、年間収入だけを見て判断するのは危険です。

たとえば、借地料が毎年入っていても、土地の名義が古いままだと将来の売却や名義変更で困ることがあります。また、相続人が複数いる場合、収入を誰が受け取っているのかを明確にしておかないと、後から不公平感が出ることがあります。

軍用地収入は「収入」として見るだけでなく、「不動産」として見ることが大切です。

借地料明細で確認したいこと

借地料に関する書類がある場合は、次のような項目を確認しておきましょう。

確認項目見る理由
土地の所在地・地番どの土地の収入かを確認するため
土地の面積借地料や評価の前提になるため
所有者名誰の名義になっているか確認するため
年間借地料収入額を把握するため
振込先誰が受け取っているか確認するため
共有者の有無相続や売却時の合意に関わるため

書類がすぐに見つからない場合は、通帳の入金履歴から確認を始めても構いません。

ただし、通帳だけでは土地の場所や名義まではわかりません。借地料の入金履歴を手がかりに、登記簿や固定資産税の書類と照らし合わせていくことが大切です。

借地料の受取人と土地の名義人が同じとは限らない

注意したいのは、借地料を受け取っている人と、登記簿上の名義人が必ずしも一致するとは限らないことです。

たとえば、実際には祖父名義の土地で、父が代表して借地料を受け取っていたというケースも考えられます。また、兄弟姉妹の共有名義の土地について、長男だけが窓口になって受け取っている場合もあります。

このような場合、相続が発生したときに「誰の財産なのか」「誰に権利があるのか」を確認する必要があります。

家族の中では何となく了解されていたことでも、相続手続きでは書類上の確認が必要になります。

軍用地収入を相続したときに最初に確認すること

軍用地収入がある土地を相続したときは、いきなり売却や分割の話を始めるのではなく、まず基本情報を整理しましょう。

相続では、最初の確認を飛ばしてしまうと、あとから手続きが止まったり、親族間で不信感が生まれたりします。

相続時は、名義・相続人・契約関係・振込先を先に確認してから、分け方や売却を考えると進めやすくなります。

まず名義人を確認する

最初に確認したいのは、登記簿上の名義人です。

親が借地料を受け取っていたとしても、土地の名義が親になっているとは限りません。祖父母の名義のままになっていることもありますし、親族との共有名義になっていることもあります。

名義人を確認するには、登記事項証明書を取得する方法があります。土地の地番がわかれば、法務局で確認できます。

ここで注意したいのは、「住所」と「地番」は違う場合があることです。固定資産税の通知書や借地料明細に地番が記載されている場合があるので、手元の書類を確認してみましょう。

相続人を確認する

次に、相続人を確認します。

誰が相続人になるのかは、家族構成によって変わります。配偶者、子ども、兄弟姉妹、甥姪など、状況によって関係者が増えることもあります。

特に、長年名義変更されていない土地の場合、亡くなった方が複数世代にわたっていることがあります。この場合、相続人が増え、話し合いが複雑になりやすくなります。

「家族だから大丈夫」と思っていても、相続では全員の合意が必要になる場面があります。早めに相続人を確認し、誰と話し合う必要があるのかを整理しておきましょう。

借地料の振込先を確認する

軍用地収入で揉めやすいのが、借地料の振込先です。

亡くなった親の口座に振り込まれていた場合、その口座が凍結されることがあります。また、相続人の一人が代表して受け取る場合でも、他の相続人に説明しないままだと不満につながります。

代表者が一時的に受け取る場合は、入金額や使い道を記録しておくことが大切です。

特に、固定資産税や必要経費を借地料から支払う場合は、何にいくら使ったのかを残しておくと、後から説明しやすくなります。

相続登記と軍用地収入の関係

軍用地は土地です。そのため、相続が発生した場合には、通常の不動産と同じように相続登記の問題が出てきます。

相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続した人の名義に変更する手続きです。

2024年4月1日から相続登記の申請は義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請が必要とされています。施行日前の相続で未登記の場合も、一定の期限が設けられています。

借地料が毎年入っていても、土地の名義が亡くなった方のままだと、将来の手続きで困る可能性があります。

借地料の入金と相続登記は別の問題

軍用地収入が入っていると、「手続きはできている」と感じる方もいます。

しかし、借地料が振り込まれていることと、相続登記が完了していることは別です。

通帳には毎年入金があっても、登記簿上は亡くなった親や祖父母の名義のままということがあります。そのまま放置すると、売却や名義変更、次の相続のときに手続きが複雑になります。

沖縄防衛局のQ&Aでも、相続登記が済んでいない場合には、法務局や司法書士などへの相談が案内されています。

相続登記をしないまま放置するリスク

相続登記をしないまま放置すると、次のような問題が起こりやすくなります。

起こりやすい問題内容
相続人が増える次の世代に相続が発生し、関係者が増える
売却しにくくなる所有者を確定できず、買主との手続きが進まない
借地料の手続きが止まる必要書類がそろわず、受取変更が難しくなる
親族間で揉める誰に権利があるのか曖昧になる
書類集めが大変になる古い戸籍や関係者の確認が必要になる

特に軍用地は、収入がある財産です。名義が曖昧なままだと、収入の受け取りをめぐって親族間でトラブルになる可能性があります。

遺産分割が終わらない場合も放置しない

相続人同士で話し合いがまとまらず、誰が軍用地を相続するか決まらないこともあります。

このような場合でも、何もしないまま放置するのは避けたほうがよいでしょう。

相続登記の義務化により、遺産分割がすぐにまとまらない場合でも、相続人申告登記などの制度が関係することがあります。具体的な進め方は、法務局や司法書士に確認することが大切です。

「まだ家族で話し合いが終わっていないから」と後回しにしているうちに、期限や手続きの問題が出てくる可能性があります。

軍用地収入は誰が受け取るのか

相続が発生したあと、軍用地収入を誰が受け取るのかは、とても大切な問題です。

遺言書があるのか。
遺産分割協議が終わっているのか。
相続人が何人いるのか。
土地を誰が取得する予定なのか。
借地料がいつ発生したものなのか。

こうした事情によって、考え方が変わる場合があります。

相続後の借地料を一人が受け取る場合は、「自分のもの」なのか「代表として預かっているもの」なのかを曖昧にしないことが大切です。

遺産分割前は相続人全員に関係することがある

遺産分割が終わる前の財産は、相続人全員に関係する財産として扱われることがあります。

そのため、相続人の一人が借地料を受け取っている場合でも、他の相続人に何も説明しないまま使ってしまうと、後から問題になる可能性があります。

たとえば、長男が親と同居していて、親の代からそのまま借地料を管理していたとします。長男としては「自分が管理しているだけ」という感覚かもしれません。

しかし、県外に住んでいる兄弟姉妹から見ると、「借地料がいくら入っているのかわからない」「勝手に使っているのではないか」と感じることがあります。

悪気がなくても、情報が共有されていないだけで不信感は生まれます。

代表者が受け取る場合は記録を残す

相続人の代表者が借地料を受け取ること自体は、実務上必要になる場合もあります。

ただし、その場合は記録を残しましょう。

入金日。
入金額。
振込先。
固定資産税として支払った金額。
その他の支出。
残っている金額。
相続人に共有した日。

このような内容を簡単な表にまとめておくだけでも、後から説明しやすくなります。

特に兄弟姉妹で相続する場合は、「言わなくてもわかるだろう」と考えないほうがよいです。お金のことは、きちんと見える形にしておくほうが、結果的に家族関係を守りやすくなります。

借地料の使い道も話し合っておく

借地料を受け取ったあと、そのお金をどう使うのかも話し合っておきましょう。

固定資産税に使うのか。
相続手続きの費用に使うのか。
家族で分けるのか。
一時的に保管するのか。
売却まで代表者が管理するのか。

ここが曖昧なままだと、「誰かが勝手に使った」という印象を持たれやすくなります。

大切なのは、金額の大小ではありません。家族全員が状況を把握できるようにしておくことです。

軍用地収入にかかる税金の考え方

軍用地収入がある場合、税金についても確認が必要です。

税金と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずは大きく分けて、毎年の借地料に関係する税金と、相続時に関係する税金があると考えると整理しやすくなります。

軍用地収入は、所得税・相続税・固定資産税など複数の税金に関係する可能性があるため、自己判断せず資料をそろえて確認しましょう。

借地料は収入として確認する

軍用地の借地料は、土地を貸して得る収入です。

そのため、所得税の確定申告が必要かどうかを確認する必要があります。

年金収入がある方、給与収入がある方、他にも不動産収入がある方などは、全体の所得状況によって判断が変わります。

「少額だから申告しなくてよい」と自己判断するのではなく、税務署や税理士に確認すると安心です。

特に相続後に借地料を受け取る人が変わった場合は、誰の収入として申告するのかを確認する必要があります。

相続税の対象になる可能性がある

軍用地は土地です。そのため、相続が発生した場合には、相続財産として評価される可能性があります。

相続税は、すべての家庭に必ずかかるわけではありません。国税庁によると、相続税は正味の遺産額が基礎控除額を超える場合に申告・納税が必要となり、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円

ここで注意したいのは、軍用地だけで相続税を判断しないことです。

預貯金、実家、生命保険、他の土地、車、株式など、相続財産全体で判断する必要があります。

固定資産税などの支出も見る

軍用地収入を考えるときは、入ってくるお金だけでなく、出ていくお金も確認しましょう。

土地を所有している場合、固定資産税などの支出が関係することがあります。

借地料が入っている一方で、固定資産税を誰が払っているのかが曖昧なケースもあります。親が払っていたのか、相続人の一人が立て替えていたのか、借地料から支払っていたのかを確認しておくことが大切です。

相続人同士で話し合うときは、「収入」だけを共有するのではなく、「支出」もセットで共有しましょう。

軍用地を残すか売却するかで迷ったときの判断ポイント

軍用地を相続すると、多くの家庭で「残すか、売るか」という話になります。

毎年借地料が入るなら残したい。
兄弟で公平に分けるために売却したい。
将来の相続で揉めないように今のうちに整理したい。
先祖からの土地だから手放したくない。

どの考えにも理由があります。

大切なのは、最初から結論を決めつけないことです。

軍用地を残すか売却するかは、借地料の金額だけでなく、家族の合意・将来の相続・現金化の必要性まで含めて判断しましょう。

残すメリット

軍用地を残すメリットは、継続的な借地料収入が見込めることです。

建物を貸す場合と違い、日常的な建物管理の負担が少ないと感じる方もいます。また、先祖から受け継いできた土地を手放さずに済むという気持ちの面での安心感もあります。

特に、家族の中に「できれば残したい」という思いが強い人がいる場合、売却を急ぐと感情的な対立になることがあります。

残す場合は、誰が所有するのか、共有にするのか、借地料をどう分けるのかを決めておく必要があります。

売却するメリット

売却するメリットは、現金化して分けやすくなることです。

相続人が複数いる場合、土地をそのまま分けるよりも、売却して現金で分けたほうが話がまとまりやすいことがあります。

また、実家の片付け費用、相続手続きの費用、納税資金、介護費用など、まとまった現金が必要な場合には、売却が選択肢になることもあります。

ただし、売却すると将来の借地料収入はなくなります。売却価格や税金、家族全員の納得感を確認したうえで判断することが大切です。

残す場合と売却する場合を比較する

家族で話し合うときは、感情だけでなく、比較表にして整理すると話しやすくなります。

判断項目残す場合売却する場合
毎年の収入借地料収入が続く可能性がある借地料収入はなくなる
現金化すぐには現金化しにくいまとまった現金にしやすい
家族間の分け方共有や管理方法を決める必要がある現金で分けやすい
将来の相続次世代に引き継がれる今の代で整理しやすい
気持ちの面土地を残せる安心感がある手放す寂しさがある

この表を見ながら、家族で「自分たちにとって何を優先するのか」を話し合うことが大切です。

軍用地収入で親族間トラブルを防ぐための考え方

軍用地収入は、お金が発生する財産です。そのため、相続人同士の関係が悪くなくても、説明不足や情報共有不足によってトラブルになることがあります。

特に兄弟姉妹の相続では、「誰が親の面倒を見たのか」「誰が固定資産税を払っていたのか」「誰が借地料を管理していたのか」といった感情面も関係してきます。

親族間のトラブルを防ぐには、借地料の金額だけでなく、管理してきた人の負担や家族それぞれの事情も含めて話し合うことが大切です。

お金の話を後回しにしない

家族の間では、お金の話をしにくいものです。

特に相続では、「お金の話をすると欲深いと思われるのではないか」と感じて、話し合いを避けてしまうことがあります。

しかし、軍用地収入のように毎年お金が入る財産は、後回しにするほど話しにくくなります。

誰が受け取っているのか。
いくら入っているのか。
何に使っているのか。
今後どう分けるのか。

これらを早めに共有することで、余計な誤解を防ぎやすくなります。

共有名義にする場合は将来も考える

相続人全員で公平に分けるために、軍用地を共有名義にすることがあります。

共有名義は、一見すると平等に見えます。しかし、将来の相続まで考えると注意が必要です。

兄弟3人で共有していた土地が、次の世代では甥や姪、孫に引き継がれ、関係者がさらに増えることがあります。そうなると、売却や手続きのたびに多くの人の同意が必要になり、話し合いが難しくなる可能性があります。

共有名義にする場合は、今だけでなく、10年後、20年後のことも考えて判断しましょう。

家族会議では結論を急がない

軍用地の相続では、最初の家族会議で「売るか残すか」を決めようとしないほうがよい場合があります。

最初は、情報共有だけでも十分です。

土地はどこにあるのか。
名義は誰か。
借地料はいくらか。
固定資産税はいくらか。
相続人は誰か。
家族それぞれの希望は何か。

このように、まずは同じ情報を見ながら話すことが大切です。

結論を急ぐと、感情的な対立になりやすくなります。まずは整理、次に選択肢、最後に判断という順番で進めると、話し合いがしやすくなります。

相談前に整理しておきたい資料

軍用地収入や相続について相談するときは、手元にある資料を整理しておくと話がスムーズです。

すべて完璧にそろっていなくても構いません。まずは、わかる範囲で集めることから始めましょう。

相談前に資料をそろえておくと、軍用地収入の確認だけでなく、相続人同士の話し合いも進めやすくなります。

借地料に関する資料

まず確認したいのは、借地料に関する資料です。

借地料の通知書。
土地賃借料に関する明細。
通帳の入金履歴。
振込先口座の情報。
過去数年分の入金記録。

これらがあると、軍用地収入がどのくらいあるのかを確認しやすくなります。

土地に関する資料

次に、土地そのものに関する資料です。

登記事項証明書。
固定資産税納税通知書。
公図。
地積測量図。
土地の地番がわかる書類。
過去の契約書や通知書。

土地の所在地や名義、面積、共有者の有無を確認するために役立ちます。

家族の状況もメモしておく

書類だけでなく、家族の状況も整理しておきましょう。

相続人は誰か。
沖縄に住んでいる人は誰か。
県外に住んでいる人は誰か。
親の介護をしていた人は誰か。
借地料を管理していた人は誰か。
売却を希望している人はいるか。
残したいと考えている人はいるか。

相続は書類だけで決まるものではありません。家族の事情や気持ちも関係します。

相談時にこうした情報を伝えられると、より現実的な整理がしやすくなります。

まとめ|軍用地収入は「お金」だけでなく相続全体で考えることが大切

沖縄の軍用地収入は、毎年借地料が入る大切な財産です。

親や祖父母の代から受け継がれてきた土地であれば、家族にとって思い入れのある資産でもあるでしょう。

ただし、相続の場面では、収入だけを見て判断すると後から困ることがあります。

土地の名義は誰か。
相続人は何人いるのか。
借地料は誰が受け取っているのか。
相続登記は済んでいるのか。
税金の確認は必要か。
残すのか、売却するのか。
家族でどう分けるのか。

これらを一つずつ整理することで、親族間の不安や誤解を減らしやすくなります。

軍用地収入の相続では、「お金が入るから大丈夫」と考えず、名義・税金・家族の合意を早めに整理することが大切です。

一人で抱え込まず、早めに確認する

軍用地の相続は、土地、不動産、税金、家族関係が重なるため、一人で抱え込むと負担が大きくなります。

特に50代の方は、親の相続を考えながら、自分自身の仕事や生活、子どものことも抱えている時期です。

「何から始めたらいいかわからない」と感じるのは自然なことです。

まずは、借地料の明細や通帳、固定資産税の書類、登記簿など、手元にある資料を確認してみましょう。わからないことがあれば、そのままにせず、早めに相談することが大切です。

うむいとでは、沖縄の相続に関する悩みを、家族の状況や不動産の事情に合わせて整理するお手伝いをしています。

軍用地収入があるけれど、何から確認すればいいかわからない。
親の名義のままになっている土地がある。
借地料を誰が受け取るかで家族と話しにくい。
残すか売るか、判断材料を整理したい。
相続登記や税金について、どこに相談すればいいかわからない。

このような場合は、まずは今わかっている情報だけでも構いません。

軍用地収入は、家族にとって大切な財産です。だからこそ、焦って決めるのではなく、正しく確認し、家族が納得できる形を考えることが大切です。

うむいとは、沖縄の相続で迷ったときに、最初の一歩を一緒に整理する相談先です。軍用地収入や相続のことで不安がある方は、早めにご相談ください。

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